これはまた、大きな題になってしまいました。今日は人の心に必要なもので考えてみます。
人は生まれた時から、自分の心を支えることに苦労します。おなかがすいたのにおっぱいが出ない、泣くと母親が気づいてくれる、そこで心が支えられます。
気づいてくれない体験が続くと、赤ちゃんから表情が消えます。支えられない心は、無力感で満たされ表情を失ったのです。まず自分を理屈抜きに受け容れてくれることが、私達には必要なのです。
この体験が自己肯定感につながります。自己肯定感が育てば、自分で自分を支えられるようになります。
もう一つ必要なのが、自分の方向性を見つけて行くことです。それには自分を知るということが前提になります。鏡を見て自分を知る、これは自己の存在確認です。
自分を知るには、さらに大きな視野が必要です。それは今の自分を超えた視野です。
これは身近にいる大人(例えば親、教師など)からもたらされる場合もあるし、興味を持って熱中した分野の先達からもたらされる場合もあるでしょう。とにかく真剣に向き合うことでしか得られないものです。
自己肯定感と、自分を超えた視野から自分の方向性を見つけられること、この二つが心を支え導いてくれます。人生を進める車輪のようなものです。
この二つの形成がうまくできなかった場合、人生の歩みは辛いものです。自分に自信が持てず、周囲の価値観に依存して一喜一憂する生き方になります。
酒を飲んだ時の高揚感は、このような辛さを消し、すべてOKと錯覚させてくれます。こんな逃げ場が必要な時もありますが、錯覚は錯覚です。
やはり先の二つがないと、自分らしい人生は歩めないのです。大人になった自分が、理解者と共に、この二つをゆっくり育てて行くことが必要です。