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白か黒か、二者択一

白か黒か、二者択一は分かりやすい選択です。しかし現実は、そんなに単純なものではありません。白のようでもあり黒のようでもある、いわゆるグレーゾーンが多く、迷いながら自分なりの選択をするものです。

例えば、自分の欲しいものがあり金額が折り合わない場合、欲しいものをあきらめるか、借金してでも手に入れるか、自分の心に問いかけ、身近な人に相談し、現実と葛藤しながら結論の方向を見つけます。結果的には、その時はあきらめ、数年後に手に入れるという結論になるかも知れません。

しかし、心が追い詰められると、だんだん白か黒かという考え方になってきます。時間をかけてゆっくり考えるということができず、正しいか、正しくないか、白か黒かという、二者択一思考に陥りがちです。

この時、心の中は、自分と向き合う余裕がなく、不安や焦りでいっぱいになっているものです。不安や焦りをどうにかするためには、自分を奮い立たせて居丈高になるか、現実から逃げるかと、やはり二者択一思考になってしまいます。

もちろん、どちらかを選ばないといけない場面は日常的によくあります。そのような時、二者択一思考に陥っていると、かえって選ぶことができないという矛盾があります。

二者択一思考では、白か黒かは簡単にひっくり返ってしまいます。不安や焦りの中で自分に対する信頼感を失くし、選ぶ根拠が揺らいでしまうのです。このような状態では、自分が決めて行くことはとても困難です。

 

二者択一思考の奥にある、信頼感を失くしたこの辛い状況に目を向けることが必要です。自分の話を何の批判もなく聞いてもらえる環境を求めることから、信頼回復が始まります。