· 

主役になろう

人はこの世に生まれた理由は知らされません。それを作って行くのが人生と言えます。そういう意味では、人はとても哲学的な存在です。動物のように、種の保存が唯一の目標ではないのです。

人がこの世で生きるためには、まず生きることに対する安心感が必要です。最初から、この安心感が失われている不幸なケースでは、この安心感を求めて、ずっと苦労が続きます。

安心感を与えられない家庭では、その安心感を生み出そうと子供は努めます。周囲を和ませようとお道化役を買って出たり、荒れた家の中を整えようとしたりします。スポーツをしたり、勉強をしたりという子供らしい努力より、実はもっと切実で、必死の努力です。しかし、人に理解されることはあまりなく、本人は大きな孤独の中で生きることとなります。

このような生き方が後年、うつの原因となる可能性があります。そして、望んだ安心感も得られてないことがほとんどでしょう。

親ガチャと言われるように、どのような家庭に生まれるのは運次第なのが現状です。

安心感のない状況から子供達を救うには、子供は安心できる状況にいる権利があるという哲学と、その裏付けが必要です。

大きな装置がなくても、心から対話する環境があれば、安心感は生まれます。子供を主役にした、対話をする場所が、公的にも私的にも、もっともっと必要です。そして、その子に応じた支援を受けることも必要です。

 

ちなみにカウンセリングは、まず、自分を主役にして話すことから始まります。少々変わったキャラでも、まず自分を肯定し主役にすることが始まりです。