生きて行く上で安心感は絶対の必需品です。少しでも不安感を覚えると、人は何とかその不安を解消し安心感を得ようとします。
身体の不調、人との不和など、小さなものから大きなものまで、不安の種はつきません。
家族関係に不安を抱えるのも苦しいものです。例えば、子供が思い通りにならないと不安になる親は、思い通りならない子供に対して不機嫌になったり、怒ったりします。子供はその不機嫌を怖れて、自分の気持ちより、相手を喜ばすことを優先します。親の不機嫌は、子供にとって大きな不安の種です。
これを繰り返すうちに、子供は自分の感情を抑え、相手の感情に従うようになります。不安から逃れるため周囲優先の選択をすると、一時的な解消はできますが、不安はまた繰り返されます。
このような気分の世界に閉じ込められると、いつも不安にさらされているのが当たり前になります。どのように不安から逃れるかが生きるテーマになり、長引く不安でうつ状態になったり、人生を創造するスキルを十分身につけられないまま、その場限りの生き方になったりします。
集団の中で発生している不安の問題を、一歩外から見る機会を作ることが大事です。一歩外に出て、話せる場所、話せる人を見つけることから始まります。自分の気持ちをありのまま話すことで、不安を少しずつ手放すことができます。もともとは自分のものでないのに、関係性の故に押し付けられた不安です。ありのままを受け容れられるという新たな関係性の中で手放すことができるのです。