フェデリコ2世

フェデリコ2世は、13世紀前半に活躍したドイツ・イタリアの皇帝です。

彼はローマ教皇から、十字軍を率いて、聖地エルサレムをイスラムから奪還するよう命じられていました。しかし、フェデリコ2世は教皇の命令をずるずると引き延ばし、敵のイスラムのスルタン(イスラムの君主)、アル・カーミルと文通を始めました。

文通を続けるうち、互いに敬意を持つようになり、双方の宗教を認め合い講和するに至ったのです。戦いは回避され、フェデリコ2世はエルサレムに平和裏に入場しました。

何ともユニークな王様です。先日のBS放送でも、フェデリコ2世の足跡を俳優の佐々木蔵之介さんが辿る旅があり、イスラムに影響を受けた八角形の建造物や、フェデリコ2世が広く宗教を認めたことなどが紹介されていました。

人の心は豊かにもなり、貧しくもなります。豊かさとは、人を認め自分を認められることでしょう。貧しさは、その反対です。

フェデリコ2世は敵とされるイスラムのスルタンを認め、敬意を表しました。このことが、自分の判断への自信になったのです。しかし、この判断に至るには、何度も文を交わし、率直に語り合うことを積み重ねたという経緯があります。

私達もそうですね。テーマを決めて何度も話し合ううちに、共感するところ、認め合うところが増えてきます。共感や認め合ったところは、第二の自分とも言えます。第二の自分が増えることで、心が豊かになるのです。

 

話し合っても決して共感しようとしない人はどうしたらいいのでしょう。共感する余裕がないほど、心が傷ついているのかも知れません。心の傷つきを自分の弱さのせいにしないで、傷を癒すことから始めましょう。