現在の日本では、18歳になると、成人としての権利と義務を与えられます。いわゆる大人の始まりです。社会的には、義務教育と高校教育を終える年齢です。しかし、ここを通過すれば、自動的に大人という実態が伴うものではないことは、皆知っています。
大人と対比されるのは子供です。以前書いたように、子供は大人があって存在するものです。大人に保護され、見守られる安心感の中で、子供は存在します。
一緒に暮していても、大人の保護や見守りがない場合、子供は生きることが不安で、心身の不調を起こしがちです。
人生を劇場に例えるなら、子供時代は子供が主役となれる舞台が必要なのです。
周囲に保護され見守られながら、子供は自分の欲求を表現し、泣いたり笑ったりして、安心感や不安感、仲間意識や嫉妬心など、複雑な感情を体験していきます。このような様々の感情体験を繰り返しながら、自分を知り、自分の個性を作って行くのです。
主役を十分体験すると、情況に応じて脇役もできるようになります。今度は主役を支えることが出来るのです。
この主役体験ができないまま、いわゆる大人になると、安心感が乏しく、周囲との比較でしか自分を見れないという状態になります。そこで何とか安心感を得ようと、人や仕事に依存したり、酒に頼るようになることがあります。
主役体験ができないまま、苦しさ寂しさを抱えて生きて来た結果なのです。
この情況を分かって、自分に主役体験をさせることが必要です。自分のありのままを話して受け容れてもらうことが、主役体験になります。
人の為に尽くすことで自分を認めてもらうのではなく、ありのままの自分を認めてもらうのです。