
先日のBSの番組で、初めて知った人々です。
ユピックとはアメリカ大陸とロシアの間にある、北極圏のセントローレンス島に住む民族。極寒の地で、狩猟を生活の手段としています。島全体の人口は約1,400人。
ユピックとは、彼らの言葉で「真の人間」という意味です。ユピックは、命をいただくという考えのもと、狩猟では必要な量だけ取り、余ったものは自然に返します。
狩猟法は、子供が幼いうちから伝えて行きます。狩猟法と共に、その精神である、自然に従い、我慢強さを身に着けることを教えます。狩猟の対象は、アザラシ、セイウチ、鯨などの大型の生き物です。
ユピックはまた、夏の間に生える草を、茎は取らず葉だけ摘んでビタミンを補給します。茎を取らなければ、草はまた生えて来るのです。
狩りに行く時は、獲物が現れるのを極寒の中じっと待ちます。吹雪の時は何日も狩りができませんが、これもじっと待ちます。得られた獲物や摘んだ草は、他者に分け与えます。
ユピックはこのような生活を2,000年続けてきました。伝統の中で培った、自然を尊重し、求められなくても自ら分け与える精神を持つ人が「真の人間」なのです。
対極のように、冷戦下、アメリカにより配備された武器やレーダーが取り残され、鉛やヒ素などで土壌が汚染されました。この汚染は、人々に癌などの病気をもたらしたのです。島民の粘り強い訴えで、土壌は除染されましたが、冷戦下のごみはまだ残っています。
ユピックは、このような現実に直面しつつ、伝統の生き方を守っています。
厳しい自然と向き合ってきた、真の人間ユピックの精神は、極めてシンプルで崇高です。人間と自然、人間と社会の本来の在り方を、私達に教えてくれています。